御嶽山噴火と兵衛谷上部シン谷

2014年9月27日
兵衛谷上部支流 シン谷   御嶽山噴火  【御嶽山】
渡辺・智尋

瑞浪3:00=濁河温泉P6:30-兵衛谷大橋7:00-パノラマ滝9:20-百間滝10:20-2500m噴火11:52-
パノラマ滝14:00-兵衛谷大橋16:00-濁河温泉P17:00/18:00=瑞浪1:30

1-噴火P9270433
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シン谷は記録も沢山あり面白みに掛けるのだが、
御嶽山の谷の中ではポピュラーなルートだけに一度は行っとかないといけない。
今日は智尋君と二人きりなので日帰り装備で一気に山頂まで登り、
遅くなったらヘッ電を点けて濁河の登山道を下る、という計画である。

2-P9270335

3-P9270331

4-P9270336

開通した兵衛谷大橋に一旦装備をデポし濁河温泉の登山口から空身で出発。 兵衛谷大橋まで2km・30分。
橋からは今日フィナーレを飾るはずの稜線、そしてサイノ河原が遥か遠くだ。
橋の脇を下って入渓。

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ナメやナメ滝、5~6mの滝が続く。幾度も左右へ渡渉し、膝小僧まで水に濡れると流石に冷たい。
途中滝マニアの散策路があれば迷わずそちらを利用した。
散策路っていっても不明瞭だったり、結構シビアなムーブを強要される所もあります。
入渓してから約二時間でパノラマ滝に着く。

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左岸にこれも滝マニアの付けた大巻道が有り、それは更に百間滝まで続いていた。
百間滝からの踏み跡は心細いモノとなった。
谷はひと筋に稜線に突き上げているので迷うことはない。
パノラマ滝から下は温泉の成分が入って緑がかった水の色をしていたが
いつの頃からか澄んだ色の変わった。
流石にこの辺りまで来ると紅葉真っ盛り。今日は山頂も大賑わいだろう。

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百間滝の上にも大小滝、また様々に色を変えた床石のナメが続き飽きることはない。
というか、そろそろ飽きてきた。
あと小一時間で神津ノ滝、そこから2時間で稜線だ。

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谷は南東に向きを変えた。
突然上流ですざまじい音がした。
ドッドドドドーン! メリメリメリ! バリバリバリ!
なんとも形容し難い恐ろしい音だ。
山頂に近いところが大崩落を起こしたのだろうか。
崩落した岩石がここまで落ちてきたら嫌だなっと思って谷の上部に目を凝らした瞬間
「あっ!」 と智尋君が稜線を指差して叫ぶ。
見れば稜線から黒い雲がモクモクと湧き上がってきた。
それは見る間に成長し、四方に広がり空一面を覆った。
そして湧き上がった噴煙は尾根を越してこの谷へも簾のように下がり始めた。

「噴火だ! 火砕流となってアレが流れてきたら一巻の終わりだ」
足が震える。 「どうしましょう? 」 と和田君も怯える。こんな急峻な谷を走って逃げることは出来ない。
かといって切り立った両脇の側壁は登れまいし、登っている最中に火砕流に飲み込まれるだろう。

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「兎も角谷を降りよう。今更慌てても仕方ない、怪我をしなよう十分気を付けて下ろう。」
1時間、何度もドォン!、ドォン!という噴火する音を背中に聞きながら振り返らず下った。
今の所火砕流が落ちてくる様子は無い。ほんの僅かだが噴煙が舞い落ちている。
『ここまで下ればもう大丈夫』 という根拠は無いが、パノラマ滝の下まで来て休憩した。
疲れた。

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兵衛大橋まで中々たどり着かない。
急峻な谷だ。登りと余り変わらない時間が掛かって降りてきた。
橋を見たときはホッとした。

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橋から登山口まで重い足取りで舗装道路を登り返す。まさかここを再び歩くことになろうとは。
途中私は新聞社からの電話に捕まる(クラブのHP・自宅の電話番号・カミさん・私の携帯番号をたどった)。
智尋君は下から車で上がってきた新聞社に纏わり憑かれる。
車の停めてある登山口に着くとマスコミの方たちが沢山いて、降りてくる人たちに取材をしている。
私たちの所にも取材に来る。早くこの場を逃れたいと思うのだが、
私たちもホトホト疲れてしまって着替えや帰る準備が進まない。
ヒメシャガの湯に寄り、そこのテレビで初めて大まかな状況を知る。
途中車の中で仮眠した。瑞浪で解散したのは翌1時半であった。

27-P9270452

今日までにFacebookへのコメント、メール、テレビ・新聞で見た。更に私の趣味が山登りだという根拠だけで親戚、
友人、仕事関係と全国から本当に沢山の方々から連絡をいただいた。

テレビ(サンジャポ)に映る私は饒舌であったそうです。
噴煙を見た瞬間いっ時の衝撃の他は、身体的被害は無かったが
あの大規模な噴火を目の当たりにし、稜線では大惨事になっていることは想像に難くない。
私は登山口に着いた時には興奮状態にあったことを自覚しています。
但しマスコミの方々には 「私たちより一般登山者で山頂から下りて来られた方に聞かれた方が良いですよ」 と
何度も重ねて言ったし、私の方が知りたかったくらい。
マスコミの方曰く 「大半の登山者は口が重くあまり話したがらないのですよ」 と。
噴火により被ったストレスの大きさは彼等の方が私より何倍も大きかった事が伺えます。

「田の原から御嶽に登る」 と早朝コンビニ、そして再び道の駅で言葉を交わした青年は無事下山したろうか。
テレビの画面から 「独りで登った息子と連絡が取れない」 と
嗚咽する名古屋から来た父親の姿に彼の姿が重なり涙が出ました。

噴火するのが昨日ではなく明日でもなく、なぜ今日この時間、このタイミングだったのか。
噴石を浴びながら亡くなっていった方々の無念さ、残された家族の悲しみを思うと胸が痛みます。

最後に、噴火を見た瞬間、私は 『私の人生は今日この時に終わったな』 と、覚悟し諦めました。
「去年生まれた末の子が立ち上がって数歩歩くようになりました」 と智尋君から今朝車の中で聞いた。
子育ての終わった私と違い、
まだまだ守らなければならない家族が沢山いる彼が無事で本当に良かった。

報道写真より加工
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兵衛谷シン谷尺ナンゾ












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